2019/10/25

2019年11月18日(月)、2019年11月26日(火)入管問題救援センター第2回セミナー「入管問題」とは何か?ー共生社会と外国人の人権を考えるー開催



入管問題救援センターが「入管問題救援センター第2回セミナー『入管問題』とは何か?ー共生社会と外国人の人権を考えるー」開催をします。以下に情報を引用します。
https://www.im-res9.com/seminar/

入管問題救援センター 第2回セミナー
「入管問題」とは何か?
ー共生社会と外国人の人権を考えるー 

東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、「 厳格化 」 に舵を切った入管政策。一方、その裏側では収容の長期化や収容者による集団ハンストの多発、入国在留審査の停滞と混乱等、様々な問題が起こっています。いま入管で何が起こっているのか、入管行政はどこに向かうのか、入管問題とは何かを問うこと,それは共生社会を考えるにあたって避けて通れないことでもあるのです。
(講師:入管問題救援センター 代表 木下洋一)

東京開催
日時:2019年11月18日(月)18:30~20:30 開場18:00
場所:神田カンファレンスルーム セミナールーム1
(東京都千代田区神田錦町3-18-3 錦三ビル4階)
https://www.seminar room.net/access/
地下鉄「竹橋」「神保町」 徒歩約5分
地下鉄「新お茶の水」「小川町」「淡路町」 徒歩約10分
JR線「お茶の水」徒歩約10分「神田」 徒歩約15分
定員:先着60名
参加費:3500円(学生1500円 要学生証提示)/お一人様1席でお願い致します。 ※当日払い
申し込みフォーム:https://www.im-res9.com/seminar/form/

横浜開催
日時:2019年11月26日(火)18:30~20:30 開場18:00
場所:波止場会館 4階大会議室
(横浜市中区海岸通1-1 波止場会館4階)
みなとみらい線「日本大通り」徒歩約5分
JR・地下鉄 「関内」 徒歩約15分
https://www.yport kousei.or.jp/kaigisitsu/hatoba/access.html
定員:先着60名
参加費:3500円(学生1500円 要学生証提示)/お一人様1席でお願い致します。 ※当日払い
申し込みフォーム:https://www.im-res9.com/seminar/form/


入管問題救援センター
ホームページ:https://www.im-res9.com/
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8団体が連名「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める声明」

PDF:「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める声明」 https://migrants.jp/user/news/336/7dxfk6og6vchma-mszz_0e0d_fg7qa_p.pdf

特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク、外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会、外国人人権法連絡会、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)、全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い、全国難民弁護団連絡会議、日本カトリック難民移住移動者委員会が連名で「人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める声明」を発表しました。以下に引用します。


入管問題調査会人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める声明


 2019年6月24日、長崎県大村市にある入国者収容所大村入国管理センターにおいて、「サニーさん」と呼ばれる40歳代のナイジェリア人男性が亡くなった。サニーさんは、2015年11月に収容され、日本人女性との間に子どもがいた。「出国すると子どもに会えなくなる」と述べていたという。
 出入国在留管理庁が今月1日に公表した調査報告書によれば、サニーさんの死因は「飢餓死」とのことである。現在の日本で、国の施設において飢餓死という事態が生じたことに、言葉を失う。
 ところが、出入国在留管理庁は、従前の死亡事件と同様に、内部での調査結果を報告するにとどまっている。また、その内容も、徹底した調査や原因の究明を行うことなく、対応に問題はなかったなどという内容に終始している[1]。
 私たちは、ここに謹んで哀悼の意を表する。そして、出入国在留管理庁に対し、まずは、第三者機関による真相解明に向けた徹底的な調査を実施するよう求める。

 日本においては、近年、多数の非正規滞在者が極めて長期にわたり収容され続けている。
 今年6月末現在の東日本入国管理センターの被収容者316名のうち、6か月以上の被収容者が301名に上り、うち1年以上の者が279名に上る。同様に大村入国管理センターの被収容者128名のうち、6か月以上の被収容者が110名に上り、うち1年以上の者が92名に上る。収容期間が2年や3年を超える被収容者も多数含まれている[2]。
 このような長期収容の背景として、入管法上、退去強制令書による収容は期限が明記されておらず、収容の要否、収容期間、仮放免の許否、再収容の要否等の判断に全く司法機関の審査が介在しておらず、行政機関内で手続が完結していることがある。
 さらに指摘すべきこととして、出入国在留管理庁は、近年、仮放免に極めて厳格な態度を取るに至ったことがある。特に、法務省入国管理局平成30年2月28日付指示「被退去強制令書発付者に対する仮放免措置に係る適切な運用と動静監視強化の更なる徹底について」は、「仮放免を許可することが適当とは認められない者」として8つの類型を挙げる一方、「送還の見込みが立たない者であっても収容に耐え難い傷病者でない限り、原則、送還が可能となるまで収容を継続し送還に努める。」とした。仮放免の件数、許可の数と割合はここ数年、1160人・約46%(2016年)から822人・約26%(2017年)、523人・約17%(2018年)と激減しており、上記の出入国在留管理庁の仮放免に対する厳格な姿勢が如実に表れている。
 とりわけこの指示以降、極めて長期の収容が常態化し、人道危機ともいうべき状態に至っている。

 このような必要性、相当性、比例性を全く問わない収容のあり方は、「恣意的な収容」(自由権規約9条1項)であることはもちろん[3]、もはや「拷問」に該当するものであって(拷問禁止条約1条1項参照)、明確に違法である。
 このことは、かかる日本の収容のあり方について国連機関から繰り返しその是正を勧告されていること[4]、他の先進国では、収容期間に期間制限を設けることが一般的であることからも明らかである。

 長期収容に抗議するハンガーストライキはこれまでにも行なわれていたが、今年5月ころに始まったハンガーストライキは、このような極めて長期間にわたる収容を背景として、100名以上が参加したり、全国に所在する施設に連鎖したりするなどその規模が大きく、また、水を飲むことすら拒んだり、体重が激減したりし、移動にあたって車いすを必要とする者、正常な排泄ができなくなって紙おむつを使用する者も出るなど、大変深刻な事態となっている。
 サニーさんの死亡は、このような経緯の中で起きたものであり、決して偶発的、特殊な事故として片づけられるべき問題ではない。
 しかしながら、これらの事態を受けても、出入国在留管理庁は一向に態度を改めず、それどころか、ハンガーストライキの末にようやく仮放免許可を得た者に対し、2週間という通常よりも短い仮放免期間を与え、2週間後に具体的な理由の説明もなく、再収容するという行為に及んでいる。
 私たちは次の被害者が出ることを大変危惧している。

 出入国在留管理庁は、今年9月19日、長期収容について、有識者らが解決策を検討する収容・送還に関する専門部会を、法務大臣の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」の中に設け、来年3月までに提言をまとめると発表した。
 法務省は、出入国在留管理基本計画において、「特に濫用・誤用的申請の抑制策については、更なる対策として、再申請事由に制限を設けることや、運用の更なる見直しの対象となっていない、繰り返し申請を行うことで退去強制による送還の回避を意図する悪質な不法滞在者等には送還停止効果に一定の例外を設けること等について,法制度・運用両面から更に検討を進めていく」としている。
 しかし、難民申請を繰り返す者の中には、条約上の難民でありながら、日本が難民条約につき独自の解釈を行っている結果、難民認定を受けられていない者が相当数存在する。このことは、UNHCRからも、日本が「他の先進国に比べ、難民認定の基準がかなり厳しい」と指摘され、とりわけ難民認定率が低い国として唯一名指しされていること、日本で難民と認められなかった難民が他国で難民と認められる例が枚挙に暇がないことなどからも明らかである。法務省こそが、難民認定制度を誤用しているものと言わざるを得ない。
 この点について、何ら反省・真摯な検討を経ずに、送還だけを促進しようとすれば、さらなる人道的危機を招くことは火を見るより明らかである。
 私たちは、日本が難民条約の締約国であるにもかかわらず、難民認定の正確性、制度の公平性・透明性の向上といった真の難民保護の実現のための施策をないがしろにしたまま、再申請や送還停止効果の制限のみを進めることには、強く反対する。

 法務省は、「法」を司る省であるが、「法」には、国内法のほか、日本が締約国となっている条約も含まれる。しかし、非正規滞在者に対する収容は、国際人権条約上求められる収容に関する原則にことごとく反し、出入国管理の分野においては、「法の支配」が及んでいないと言わざるをえない状況にある。その結果、非正規滞在者の収容は、人道危機ともいうべき事態に至っている。
 私たちは、法務省が自ら法を踏みにじる姿勢をこれ以上看過することはできない。
 私たちは、法務省に対し、条約を遵守し、出入国の分野における法の支配を確立し、人間の尊厳を確保することを強く求めるとともに、難民申請者を含む非正規滞在者の支援に携わる団体として、このような事態を一刻でも早く改善するために全力を尽くすことを誓う。

2019年10月25日

≪賛同団体(50音順)≫
特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク
外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会
外国人人権法連絡会
人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)
全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い
全国難民弁護団連絡会議
日本カトリック難民移住移動者委員会
入管問題調査会



[1] 出入国在留管理庁「大村入国管理センター被収容者死亡事案に関する調査報告について」(令和元年10月1日)、http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri09_00050.html
[2] 福島瑞穂参議院議員ホームページ(http://mizuhoto.org/2091)掲載資料による。
[3] 国連自由権規約委員会による恣意的拘禁の禁止(9条1)に関する一般的意見35号、国連恣意的拘禁ワーキンググループによる移住者の自由の剥奪に関する改定審議結果第5号等参照。
[4] 自由権規約委員会第6回(2014年)日本定期報告審査にかかる総括所見パラグラフ19人種差別撤廃委員会第7回・第8回・第9回(2014年)日本定期報告に関する総括所見パラグラフ23、同10・11回(2018年)総括所見パラグラフ36、拷問等禁止委員会第2回日本定期報告に関する(2013年)総括所見パラグラフ9など。


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2019/10/18

ヒューマンライツ・ナウ【声明】入管施設における恣意的収容の廃止及び法的改善を求める ---

国境を越えて、人権を守る国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウが「【声明】入管施設における恣意的収容の廃止及び法的改善を求める」 を発表しました。以下に引用します。
http://hrn.or.jp/news/16578/





ヒューマンライツ・ナウは入管施設における恣意的収容の廃止及び法的改善を求める声明を発表いたしました。

難民申請者も含めた、在留資格のない外国人を収容する施設で、過去4か月間で延べ198人が、長期の無期限収容に抗議するハンガーストライキに参加している状態にある 中で、2019年6月24日に、長崎の大村入国管理センターに収容されていたナイジェリア人男性が死亡するに至りました。

長期・無期限収容の凄惨な現状に鑑み、ヒューマンライツ・ナウは、第7次出入国管理政策懇談会及びその下の「収容・送還に関する専門部会」に対し、法改正の議論を行うことを強く求め、声明を発表しました。

PDF版はこちらから:【HRN声明】入管施設における長期収容の改善及び法的改善を求める声明http://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2019/10/c973721f4723730c9804e01b635b5bdb-3.pdf 

  入管施設における恣意的収容の廃止及び法的改善を求める声明


難民申請者も含めた、在留資格のない外国人を収容する施設で、過去4か月間で延べ198人が、長期の無期限収容に抗議するハンガーストライキに参加している状態にある 。
このようにハンスト運動が激化する中で、本年6月24日に、長崎の大村入国管理センターに収容されていたナイジェリア人男性(日本人女性との間に生まれた日本人の子どもがいた)が死亡するに至り、本年10月1日、法務省は、この男性の死が収容に対するハンガーストライキの末の「餓死」であることを公表した 。
さらに、法務大臣は、本年10月から、その諮問機関である「第7次出入国管理政策懇談会」の下に「収容・送還に関する専門部会」を設置の上、法改正の議論を開始するとした。

本年6月末時点で上記収容場・入国者収容所等に収容されている者(以下「被収容者」という。)は1253名であり、そのうち6ヶ月以上の収容(以下「長期収容」という。) は679名と半数以上に及ぶ 。さらに、1年以上の収容に限っても531名にも上る事態である 。今年6月末現在の東日本入国管理センターの被収容者316名のうち、6か月以上の被収容者が301名に上り(95%)、うち1年以上の者が279名に上る(88%)。同様に大村入国管理センターの被収容者128名のうち、6か月以上の被収容者が110名に上り(86%)、うち1年以上の者が92名に上る(71%)。
入管法とその現行の運用では、在留資格のない外国人を原則としてすべて収容し(全件収容)、しかも、退去強制令書が発付されると、入管法上、収容期限に上限がない。このような全件・無期限の長期収容に対して、本年4月には仮放免許可を求める集団訴訟が提起され、さらに本年5月より被収容者らによるハンストが全国の収容施設で始まり、ついには前述の6月24日のハンストによる餓死という信じがたい事態が生じてしまったのである。
既に近年だけでも、日本政府に対して、拷問禁止委員会(第2回政府報告に対する総括所見(パラ9。2013年6月28日)、自由権規約委員会(第6回政府報告に対する総括所見(パラ19。2014年8月20日)、人種差別撤廃委員会(第10回・第11回政府報告に対する総括所見(パラ36。2018年8月30日)が、収容期間の上限設定、収容を最後の手段として必要最小限の最短のものとすること等を求める勧告を行っているところである。

長期・無期限収容の凄惨な現状に鑑み、当団体は、第7次出入国管理政策懇談会及びその下の「収容・送還に関する専門部会」に対し、以下の点を十分に考慮した法改正の議論を行うことを強く求める。
また、法改正が実現し施行されるまでの間には時間を要することから、法務省及び出入国在留管理庁に対しては、運用改善により、国際人権条約に適合しないにもかかわらず収容されている全ての者に対し、身体解放の措置を取ることを求める。

第1  入管収容の目的を逃亡防止のためのものと限定すること
国際人権法上、「恣意的な抑留(「収容」と同義)」は禁じられている(自由権規約第9条第1項)。収容は、正当な目的をもったものでなければならず、身元の確認、逃亡の防止などの正当な目的がある場合に、目的達成のための必要性がある限度において行われるものでなければならない 。また、自由権規約第9条第4項では、抑留(収容)された者はその合法性について司法審査を受ける権利が認められているが、入管という行政機関の判断だけで人を長期収容し、そこに司法判断が入らない日本の制度はこれに反する。
日本は、在留資格がない外国人を含め、日本の「管轄下」にあるすべての人に、規約上の権利を確保する義務を負っている。日本政府が主張する、当該外国人に在留資格がないとの理由のみに基づく収容 は、自由権規約第9条第1項に違反し認められない 。
近時、日本政府は、収容を治安維持ないし再犯予防を目的とするものでも可能であると主張し始めているところであるが 、極限的なものを除き、国際人権法上、認めることはできない 。

上記の通り、出入国管理のための収容の目的は逃亡防止などの正当な目的がある場合に限定されるのであって、在留資格がないことのみに基づく収容はもちろんのこと、治安維持など予防拘禁としての収容は認められないのである。

第2  入管収容の要件を、逃亡する恐れがあると疑うに足りる相当の理由があるときに限定すべきこと
入管法は、退去強制令書が発付されたことのみを要件とし(入管法第52条第2項)、運用上も「被退去強制令書発付者に対する仮放免措置に係る適切な運用と動静監視強化の更なる徹底」(法務省管警第43号・2018年2月28日)により、在留資格のないことの一事をもって収容するいわゆる「全件収容主義」が徹底されている。収容の必要性、すなわち逃亡の危険などの有無を問わず、一律に収容しているのである。また、その背景として、自由権規約批准(1979年)前に出されたマクリーン事件最高裁判決(1978年)が、外国人の人権(同判決においては、憲法上の人権)は入国管理制度の枠内でのみ保障されるにすぎないとした考え方が、自由権規約を批准して久しい現在もなお通用している。
しかしながら、この「全件収容主義」は自由権規約第9条第1項をはじめ国際人権条約に明確に違反するものである。
すなわち、収容は、上記の目的を達成する上で、必要かつ相当なものでなければならない 。収容の必要性、すなわち逃亡する恐れがあると疑うに足りる相当の理由があるときを要件とし、これを明確に限定する法改正が直ちに必要である 。

第3  入管収容の期間をにつき、6ヶ月など送還の準備のため必要と認められる合理的期間の範囲内において上限を設定すること
現行の日本法は、当該外国人を「直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで」収容することができるとする(入管法第52条第5項)。入管は、「送還することができないとき」とは(入管自身が)「送還しないとき」、「送還可能のときまで」とは(入管自身が)「送還するときまで」と解釈運用しており、「無期限収容」(永久収容)が可能となっている。
その上、上記通達により仮放免許可も極めて厳格に運用されているため、現在のような過酷な状態に人間を極限まで追い込む長期収容が横行してしまっている。
しかしながら、このような長期・無期限収容は、自由権規約第9条第1項に違反することは明らかである。すなわち、「自由の剥奪は、最後の解決手段として最も短い適当な期間のみ適用されなければならず」 、 「無国籍又はその他の障壁のために締約国が個人を追放できないことは、無期限の抑留を正当化するものではない」 のである。
したがって、送還準備のための期間として合理的な期間(上限)を法律によって設定すべきである。これは前記の通り、拷問禁止委員会等も勧告しているところである。
また、外国人が難民条約第1条にいう「難民」にあたる場合には、国は、必要以上の移動の制限を課してはならないのであり(難民条約第31条第2項)、収容という最高度の移動制限を課す方法は、この義務にも反する。
入管法改正により、収容は、送還準備のため、逃亡の具体的な危険を有することを前提として、最長でも6ヶ月と設定すべきである 。


第4  入管収容に定期的な司法審査を必要とすること
現行の日本法は、収容を入管という行政機関の判断のみで行っている(入管法第52条第5項)。しかも収容に期限を設定しないため、収容期間の更新もなく、それに伴い独立した機関による定期審査という概念もなく、裁判所が収容の許可を与える制度にはなっていない。また、仮放免許可の判断も、入管のみによって行われる制度となっている(入管法54条2項)。
自由権規約第9条第1項は、上記の通り恣意的な抑留(収容)を禁じている。また、第9条4項は、収容の合法性について裁判所による審査を受ける権利、及び収容が合法的でない場合には釈放を命ずることができるよう、裁判所で手続をとる権利を保障している。
収容が人間の人身の自由を奪うものである以上、収容する際に裁判所の司法令状を必要とする制度が望ましく 、もし仮にこれを採用しないとしても、自由権規約第9条第4項から、最低限でも、一定期間ごとに定期的な司法審査がなされる制度が要求される 。
この点においても日本の制度は自由権規約等に違反することから、収容は、一定期間ごとの更新を前提に、司法審査を要する制度へと改正すべきである。

第5  難民及び、家族生活を保護されるべき者が長期収容されていないか調査すべきこと
最後に、長期収容の解決は、送還によってのみ適切に解決することはできない。
そもそも、退去強制令書が発付された者のうち、一定のもの(第59条に基づく送還、国際受刑者移送条約に基づく移送)を除き、98%は任意出国にあたる自費出国をしているのが現実である 。他方で、(狭義の送還である)チャーター便などでの国費送還も行われている。
そのような状況の中、長期収容されても帰国しない人は、日本に家族がいるなど、帰国しようにも帰国できない人である可能性がある。
自由権規約は、家族が社会の自然かつ基礎的な単位として「社会及び国による保護を受ける権利」を保障している(第23条第1項)。また、第17条では、家族に対して恣意的もしくは不法に干渉されない権利を保障している。これらの自由権規約の権利は、管轄下のすべての個人に保障されるものである。また、子どもの権利条約は、子どもに関するすべての措置を取るにあたっては、「子どもの最善の利益」を主に考慮することを国に義務づけている(子どもの権利条約第3条第1項)。法務大臣は、在留資格がない外国人であっても、一定の事情がある者については在留特別許可により在留を認めることができるが、日本に家族がいる場合、また子どもがいる場合には、これらの国際人権法上の権利にも十分に配慮して、在留特別許可を検討すべきである。
しかるに、在留特別許可率 は平成18年に85%であったところ、平成28年には60%にまで急落している 。これにより、件数だけでなく、家族生活などを保護されるべき者 が適切に保護されていないことが強く懸念される。
他方、日本の難民認定数は絶対的に少なく,その判断の質に問題があることは明らかである 。そのために、何度も難民庇護を求めざるを得ない人が存在する 。
このように、日本に家族がいる人を、在留資格がないというだけで退去強制の対象とし、長期収容することは、家族に対する恣意的又は不法な干渉を禁じた自由権規約第17条、及び、家族が保護を受ける権利を保障した同第23条1項に反する。また、その人が難民条約にいう難民にあたる場合には、必要以上の移動制限を禁じた規定(第31条2項)に反するとともに、迫害を受けるおそれのある本国に送還することはノン・ルフ―ルマン原則に反する。
当団体は、法務大臣及び出入国在留管理庁、並びに出入国管理政策懇談会及び「収容・送還に関する専門部会」に対し、上記の問題の徹底調査及びその改善を求める次第である。
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2019/10/07

クルドを知る会『大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明』

クルドを知る会が 『大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明』を発表しました。以下に引用します。https://drive.google.com/file/d/1GqAAZGhQ-PYh-ZPvhpyAv07N9QiKZWJR



2019年10月7日
クルドを知る会
日本クルド文化協会
クルド人難民Mさんを支援する会

『大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明』

法務省出入国在留管理庁は10月1日、長崎県の大村入国管理センター(大村入管)で今年6月、収容中のナイジェリア人男性(40代)が死亡した問題で、死亡の原因は食事や治療を拒否したことによる「飢餓死」という調査結果を公表した。入管庁は「命に危険が及ぶと再三警告したが、本人が強く治療を拒否した」として「対応に問題はなかった」との見解を示している。しかし、わたしたちは入管庁のこの見解に対して、多大な疑問を感じている。
 入管庁はこの男性に早期に仮放免を許可するべきではなかったのか。今も各地の入管で、仮放免を求めてハンガーストライキ(ハンスト)を行う被収容者が大勢いる。その中には多くのクルド人難民申請者が含まれており、入管の対応に問題が無いというのであれば、再び同様の事件が繰り返されることが懸念されるため、わたしたちはここに声明を発表する。
 ナイジェリア人男性はなぜ、日本の外国人収容所で餓死しなければならなかったのか。
彼は、過去に窃盗などの罪で4年の実刑判決を受け、服役を経て仮釈放された。しかしその後、2015年11月から大阪入管、2016年7月からは大村入管に収容され、収容期間は3年7ヶ月の長期にわたった。その間、4回の仮放免申請をしたにも関わらず認められなかった。入管は申請却下の理由を「起こした事件が悪質で常習性があり、許可できなかったから」だという。しかし服役により罰を受け、罪を償い、法務省によって仮釈放された外国人を、今度は同省入国管理局が無期限に収容をするというのは、これは二重罰であり、また、犯した罪に対してあまりにも罰が重すぎるといえる。日本人が刑務所から仮釈放された場合は、円滑な社会復帰を図る目的で、刑期満了までは保護観察つきで拘禁状態を解かれる。それなのに、この男性は仮釈放中に外国人収容所で拘束され続け、餓死することになってしまった。
 
 男性は今年5月末に4度目の仮放免を求めてハンストを行い、食事を拒否。その後、点滴などの医療さえも拒否していた。日本人と結婚していたこの男性には、その女性との間に娘がいた。自分の娘と離れ、会えなくなることへの不安などから、帰国を選べなかったという。
 6月18日ごろ、男性は時おり水を口にするだけで、すでにほぼ寝たきりとなっている。6月24日、目を開けたまま反応しなくなった段階で救急車が呼ばれ、搬送先の病院で死亡が確認された。衰弱していく様子は記録されていた。だが、入管はその様子を観察しながら、男性が切実に求めていた仮放免を許可することはなかった。食事と医療を拒否し、人間が自ら死へ向かっていくのを目の前にしながら。それを見つめ続けなければならなかったのは、現場の職員である。
 無期限の収容か、あるいは帰国か。入管が提示する選択肢を選ぶことは、そのどちらもナイジェリア人男性にとって不可能であった。だがあくまでも入管は、冷徹にそれを示し続けた。そのような中で、ひとりの人間としての事情など一切、配慮されることはなく、聴く耳も持たれず、男性がついに生きることへの希望を失ってしまったということは想像に難くない。これが東京オリンピック・パラリンピックを控えた日本の、外国人対応の現状のひとつである。
 現在入管が行っている、期限のない長期収容、事情のある人への帰国の強要、そして正規の在留資格が無いことや退去強制令書が出ていることを理由に被収容者を犯罪者のように扱うことは、被収容者に耐え難い苦痛を与えるものであり、特に無期限収容は精神的拷問に等しい。
 自身の生命を守るために迫害国から逃れること、心身の健康を守るために必要な医療を受けること、家族と語り合いともに過ごすこと、不当な身体の拘束を受けないこと。人間には生きていくための当然の権利、基本的人権があるが、現在の長期収容ではそれのどれもが守られていない。このことが被収容者の人間としての尊厳を著しく傷つけている。
 頻発する外国人収容所内でのハンストや自殺未遂、そして自殺には、このような背景があるということを、法相および入管庁は憂慮するべきである。再発防止を考えるのであれば、法相が発表したようなハンストをさせないことや強制治療などによる方向ではなく、まず被収容者の当たり前の人権を回復することが必須であり、急務である。
 わたしたちクルド支援三団体は、日本におけるクルド人難民の支援と理解促進のために共に活動している。クルド人集住地区である埼玉県の蕨市や川口市における講演会や、都内で開催する展覧会において、現在の入管行政や、長期収容に苦しむクルド人難民の声を直接聴いてもらう機会をたびたび設けてきた。またトルコにおけるクルド人の抑圧について、映像や写真を上映し、クルド人がなぜ日本に来るのかの理解促進に努めてきた。いずれの講演会等においても「クルド人がこういった事情を抱えて日本に来ていることを始めて知った」という方や、「逃げてきた難民が日本の収容所で苦しんでいること、収容によって長期間にわたり家族とバラバラになっていること、収容所内で必要な医療が受けられないことに驚いた」という声を多数頂いている。会場内で、収容されているクルド人難民の仮放免を求める署名活動を行ったところ、非常に多くの方がその場で署名に応じてくれた。
このような事実からもわたしたちは、今の入管行政は日本社会の民意を反映しておらず、多くの人びとが今のような長期収容や送還を望んでいないことを実感している。
 クルド人難民をはじめとする難民申請者は、わたしたち日本社会が受け入れ、共に生きていく人びとであると考える。また難民に限らず、日本に家族がいる人や、日本人と結婚している人、既に日本に長く暮らしている人については、正規の在留資格がないからといって一律に排除の対象にするのではなく、それぞれの事情を鑑み、柔軟に在留を認めるべきである。
近年、在留特別許可は減少傾向にあり、そのことが本来、在留を認められるはずの人が収容されてしまう要因にもなっている。国際的な観点から見れば、長期収容については、2013年に国連の拷問禁止委員会が懸念を表明しいる。また、日本の難民認定率の低さについては、難民条約批准国であるにもかかわらず先進国としての難民保護の義務を果たしていないと、長年、国連からの指摘を受けている。
そして、柔軟性を欠く入菅の姿勢は、日本国内で排外主義的な言説をネットに溢れさせる一因にもなっているのである。
 五輪の「治安対策」を優先して収容や強制送還を促進強化していくのではなく、それぞれの人たちが持つ背景や配慮するべき点を丁寧に見ながら、理解を深め、在留を許可していくことこそが、多くの外国人労働者を受け入れ、真の国際化と多文化共生社会をめざす日本が取るべき姿勢ではないだろうか。法務省出入国在留管理庁は、率先してその在り方に道をつける責務があることを指摘する。
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2019/10/04

FREEUSHIKU「緊急ステートメント—飢餓死したナイジェリア人男性について—」




緊急ステートメント ー飢餓死したナイジェリア人男性についてー
 https://freeushikuweb.jimdofree.com/街頭行動-署名-支援/緊急ステートメント-ー飢餓死したナイジェリア人男性についてー/

FREEUSHIKUが「緊急ステートメント—飢餓死したナイジェリア人男性について—」を発表しています。以下引用します。


飢餓死したナイジェリア人男性について


10月1日、法務省は、今年6月に長崎県の大村入国管理センター内で亡くなった男性の死因が「飢餓」であったと公表した。法務省は、ハンガーストライキを行なっていたこの男性はセンター内外での治療を自ら拒否していたので、「対応に問題はなかった」と弁明した。彼の名前はサニーさんという。


私たち#FREEUSHIKU は、彼を死に追いやったのは収容であり、とりわけ長期収容であったと考える。収容という対応が、彼を死なせたのである。人を死なせる「対応」に問題がないとは言えない。

サニーさんは、治療を拒んでいた。医療アクセスや収容所内の環境以上に、彼は収容そのものを拒否していた。私たち日本社会に住む者は今回、「入管庁はなぜ治療しなかったのか」と問う以上に、「なぜ収容し続けたのか」と問うべきである。サニーさんが死をかけて求めたのは、収容継続を前提とする「治療」ではなく、収容の終わりであった。


法務省の調査報告によれば、サニーさんは平成23年8月実刑判決が確定して刑務所に入り、仮釈放された後、3年7ヶ月も収容されていた。彼は、平成30年6月に4回目の仮放免申請が不許可になって以来、仮放免を申請していない。長期収容が彼の心身に与えた影響は、私たちの想像を絶する。


自分で治療を拒否したのだから入管の「対応に問題はなかった」という主張が誤りであるのは、(長期) 収容をやめるという対応が、ありえたからだ。入管はその対応をとらなかった。


収容制度がある限り、私たちは、制度の変革を一歩一歩求めていく。医療アクセスなど収容所内の環境を改善することは、収容されている外国人の人権を少しでも尊重し、すでに続出している病死者を減らすうえでも必須である。

しかし、今回「飢餓死」した方の場合、収容継続そのものを絶対的に拒否していた故人の意志を、日本社会はまず正視すべきである。


私たちは、彼の犯罪歴を強調する報道が少なくないことを憂慮する。事実を報じることは重要だが、こうした報道は、犯歴がある場合は長期収容もやむを得ないというニュアンスを伝えてしまいかねない。


犯罪歴を報道する場合は、同時に、次の事実を報じるべきである。入管が犯罪に対する刑罰として外国人を収容することは、法的に許されていない。サニーさんの場合も、犯罪をおかしたあと、まず刑務所で刑罰を受けている。

刑罰を受けたあと、日本国籍を保有する者は日本社会に復帰する。だが彼は、外国人であったために在留資格を取り消され、収容された。これは、彼が身柄を拘束された二度目の期間であり、もはや刑罰ではない。


収容は、彼の行為を罰するものではなく、彼の外国人としての存在を排除するものであり、刑罰とは違って期限がない。人間を無期限に収容することは国際機関からも拷問として批判されており、ヨーロッパ諸国をはじめとする諸外国には、非正規移民の収容に一定の期限がある。


ところが日本は全件無期限収容を続け、収容所を自主退去の説得手段として用いている。これは制度の濫用であり、法律の趣旨にも反している。


私たち#FREEUSHIKU は、まず収容の有期限化を求める。さしあたり、慣例的に一定期間で仮放免される運用に戻すこと。もちろん、法改正して正式に収容を有期限化することが望ましい。収容に一定の期限のある国は珍しくない。無期限収容がなくても、社会に格別の問題は起きていないのである。


私たちは、収容所のより公正かつ速やかな調査を求める。さらなる絶命を防ぐためにも、今回のように調査結果の公表が遅れることがあってはならない。死亡などの決定的な事件については、人権擁護を専門とする第三者調査団を設定するべきである。


別の制度は、可能である。私たちは入管行政を直ちに変えるべきである。

2019年10月3日 #FREEUSHIKU一同
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